葉山コンパウンド

葉山コンパウンド

神奈川県葉山町一色に計画された賃貸住宅コンパウンドです。歴史ある森山神社の参道に接し、元は由緒ある別荘が建っており、その後「音羽楼」という料亭として地域の人々に親しまれてきましたが、2007年に宅地開発業者に売却され、御用邸を建設した大工が手がけた貴重な別荘建築は解体されてしまいました。さらに、既存の樹木を伐採して大規模な造成により敷地を細かく分譲し、参道に車を通すことが計画されていたことから、祭りや朝市などさまざまな地域活動に利用されてきた参道と昭和初期から変わらぬ景観を守るべく地域住民が立ち上がり、これに賛同した現在の所有者が敷地全体を買取りました。

隣接する森山神社の参道沿いの樹木を保存してほしいという地域住民の要望を受け、既存の敷地形状や樹木を可能な限り生かすため造成は最小限にとどめ、コンパウンド形式の賃貸住宅として敷地を一体的に活用することを提案。参道沿いの樹木と万年塀を保存し、敷地内で使われていた佐島石は再利用しています。また、海を望む森山神社からの眺望を守るため、建物の高さを低くおさえています。

別荘地の売却にともない、土地が細かく分割されると同時に樹木が伐採され、伝統的な景観が失われつつあるなか、別荘地として独特の文化を築き上げてきた葉山にふさわしい再開発のあり方を提案しています。

日本エンバイロケミカルズ株式会社主催の「第4回木質建築空間デザインコンテスト」住宅部門・部門賞を受賞いたしました。

(2011)東京ガス株式会社主催の「住まいの環境デザイン・アワード 2012」環境デザイン優秀賞を受賞いたしました。

用途: 賃貸住宅
延床面積: 1400㎡
設計: 有限会社コミュニティー・ハウジング
管理: 有限会社コミュニティー・ハウジング
ランドスケプ設計: 株式会社ソシオトープ
施工: 株式会社技覚
竣工: 2010年(一期)

Photos: ©Shigeo Ogawa